本記事の立ち位置:採用率(図鑑の事実)×インタビュー(判断)で“本戦の収束”を読む
本記事は、エクストリームカップGP 2025の「予選(5大会合算)」と「本戦トーナメント」の採用率データ(=事実)を土台に、どのような構成が選ばれ、どこで収束が起きたのかを整理する振り返り記事です。
ここで扱う採用率は、「強い/弱い」の断定ではありません。
あくまで「この大会で、選手たちが選んだ結果」を並べたものです。そこに、取材で伺った“判断の言語”(おまんじゅうキング選手の点数設計・組み立て方)を重ねることで、数字だけでは見えにくい部分――「なぜ、その寄せ方になるのか」を読み解いていきます。
※採用率の表・グラフは、別記事「エクストリームカップGP 2025 採用率データ図鑑(予選/本戦トーナメント)」にまとめています。本記事は“読み解き”に集中し、必要に応じて図鑑側で根拠を確認してもらえると、より理解が進むと考えられます。
先に結論:本戦は「二強+三本目の分岐」から「1点を落としにくい構成」へ寄った
結論から言うと、GP 2025は、予選段階から見えていた環境の軸(いわゆる“二強”)が本戦でも崩れず、そのうえで「三本目」が入れ替わりながら、全体として“落としにくい点の取り方”へ寄っていった――そう読めるデータになっています。
- 軸はぶれない:エアロペガサス/ウィザードロッドが中心に残り続ける
- 三本目で分岐:フェニックスが多かった構図から、ブラストWの採用が増えた構図へ
- 寄り方の変化:ラチェットは9枚刃寄りに、ビットはスタミナ寄り(FB増)へ
もちろん、個々の選手の狙いは一人ひとり違いますし、「全員が同じ考えで収束した」とは言い切れません。
ただ、“結果としての選択”を並べると、本戦ほど選択肢が絞られ、同じ方向へ寄っていることは、採用率の動きから確認できます。
この「寄り」を、点数設計(1点/2点/3点の期待値)という観点で読むと、選手側の判断の輪郭が少しはっきりします。後半で、インタビュー内容と照合しながら整理します。
予選→本戦で“数字が動いた”ポイントはこの3つ
ここから先は、この記事の核となる「動いたポイント」を3つに絞って提示します。
細かい数値は図鑑側で追えますが、まずは“何がどう動いたか”だけ掴んでください。
三本目の選択肢が「フェニックス」から「ブラストW」へシフト
デッキ構成で最も分かりやすい変化は、「三本目」の枠です。
予選ではフェニックスウイングが三本目として強く存在感を持っていた一方で、本戦トーナメントではブラストWの採用が増え、三本目の位置に食い込んできます。
ここは、採用率データ上でも「入れ替わり」として角度高く整理できるポイントです。
“二強(エアロ/ロッド)+三本目”という構図が、フェニックス中心からブラストW中心へ寄り始めた。これが本戦の特徴のひとつです。
ラチェットは「9枚刃」寄りになり、「1枚刃」が相対的に後退
ラチェットは、3/7/9枚刃をデッキ内で使い分ける選手が多く、予選段階からその傾向は見えています。
その前提の上で、本戦では9枚刃(特に9-60)の比率がより強く出て、1枚刃の採用が相対的に落ちたことが、今回の変化点です。
言い換えるなら、「尖らせる方向」より「安定させる方向」へ寄ったように見える動き、と整理できます。
ただし、これは“選手全員の意図”の断定ではなく、「採用の結果としてそう見える」という扱いに留めます。
ビットは FBが伸び、「バランス→スタミナ寄り」へシフト
予選→本戦で、最も変化が大きく出たのがビットです。
R/LR/Bといった土台は崩れていないのに対し、本戦ではスタミナ寄りの比率が上がり、その動きの象徴としてFB(フリーボール)の採用が伸びています。
この「バランス→スタミナ寄り」へのシフトは、ブレードやラチェットよりも、データとしてはっきり出やすい部分です。
後半で、点数設計の観点から“なぜそこに寄りやすいのか”を補強します。

ブレード:環境の軸は不動(エアロ/ロッド)。変化は“3本目”に出た
ブレードの採用率を見ると、まず大前提として、軸が崩れていません。
環境の中心はエアロペガサスとウィザードロッドで、予選から本戦まで、中心に居続けています。
そのうえで変化は「三本目」に出る。ここが読み解きの順番として重要です。
エアロペガサスは「7-60R」が最適解として収束し続けた
エアロペガサスは、構成として「7-60R」が強く集中しており、予選から本戦にかけても“基準”のように残り続けます。
この“基準がある”という事実は、後で触れる、おまんじゅうキング選手の「ズラし(3-60R)」の考え方を理解する上でも重要です。
ウィザードロッドは「3-60B」が王道化し、本戦で“より確実寄り”に見える
ウィザードロッドは、「3-60B」の王道構成が中心になりやすく、予選段階からその傾向が見えます。
本戦では、ここがよりはっきり出ており、“確実寄り”の選択として収束したように見えます。
ブラストWが「発売直後の手探り」を超えて注目を集め、そのまま環境入り
ブラストWは、本戦直前のタイミングで登場した新顔で、当時は「どの組み合わせが良いのか」「環境に入るのか」が注目されていました。
実際には、発売直後でまだ手探りの部分が残る状況にもかかわらず、本戦では採用が集まり、短期間で“環境入り”した形になっています。
ここは、誰か一人が作ったというより、トップ選手たちが短い期間で検証と調整を重ね、一定の形を固めてきた結果として、採用率に表れた――そう捉えるのが自然です。
フェニックスは相対的に後退:3本目の枠をブラストWと奪い合う構図に
フェニックスウイングは、予選段階では三本目として強い存在感がありました。
ただ本戦では、ブラストWの台頭によって、相対的にフェニックスが“後退”して見える構図になります。
つまり「三本目の枠」を、フェニックスとブラストWで奪い合う状態になった――この整理が一番分かりやすいと思います。

ラチェット:本戦は9枚刃+スタミナ系ビットで”負けにくい寄せ”が進んだ
ラチェットは、予選段階から3/7/9枚刃を前提にデッキが構築されていました。
そのうえで本戦では、9枚刃寄りの比率が強く出て、結果として「負けにくい寄せ」へ進んだように見えます。
これはビット側のスタミナ寄りとも整合しやすい変化です。
9-60が中心:予選→本戦で“まずはここ”がより強く出た
ラチェット全体の“中心”として、9-60がより強く出ます。
9-60は汎用性が高く、予選でも中心ではあったものが、本戦ではより明確に「まずはここ」として集まった――この動きが今回のポイントです。
3/7/9枚刃がデッキ内で共存するのは前提。その上で「1枚刃」が相対的に減った
繰り返しになりますが、3/7/9枚刃をデッキ内で共存させるのは、予選から見える“前提”です。
その前提の上で、本戦は「1枚刃の比率が相対的に落ちた」。
この一点が、ラチェット領域の変化点として押さえておくべきところです。
ここを、ビットのスタミナ寄りと合わせて読むと、「尖らせる」より「落としにくさ」へ寄る動きが重なって見えます。

ビット:本戦で最も変化が出た領域—スタミナ系が増えた
ビットは、本戦で最も変化が出た領域です。
しかも重要なのは、「主流がガラッと変わった」のではなく、“土台は残したまま比重が動いた”ことです。
R/LR/Bは土台として不動(主流は崩れていない)
予選でも本戦でも、R/LR/Bは上位に残ります。
つまり土台(主流)は崩れていません。
この“土台が残る”という事実があるからこそ、次の「比重の変化(スタミナ寄り)」が、より意味を持ちます。
本戦でスタミナ比率が上昇:アタック比率が相対的に低下
本戦では、タイプ比率としてスタミナ寄りが増え、その分、アタック比率が相対的に下がります。
(アタックが弱くなった、という話ではなく、“選ばれ方の比重が動いた”という事実の整理です)
FBが伸びた背景は「ブラストW×9-60×FB」が短期間で”定番勝ち筋”として確立されたから
FB(フリーボール)の伸長は、本戦の変化を象徴する動きです。
特に、ブラストWの採用増とセットで「ブラストW×9-60×FB」という組み合わせが本戦で増え、短期間で“定番の勝ち筋”として確立されていった――そう読めるデータになっています。
ここで言いたいのは、「誰かが環境を作った」という断定ではなく、発売直後で試行錯誤の余地がある中でも、トップ選手たちの検証が一気に進み、採用が集まった結果として“定番セット化”が見える、という点です。
GPという舞台の密度(短期間での適応)が、採用率の形として表に出た、と整理できます。
デッキ:”採用率が示した”本戦で勝ちやすい形”はこの3つ
ここまでのパーツ別の話を、デッキ(3on3)としてまとめ直します。
デッキ視点に戻すと、本戦の収束はより分かりやすくなります。
王道の中心:エアロ(7-60R)/ロッド(3-60B)を軸に三本目を決める
本戦の“中心形”は、エアロ(7-60R)とロッド(3-60B)を軸に置き、三本目をどうするか、という構図になります。
これは予選から見えていた骨格が、本戦でよりはっきりした形です。
三本目の結論:ブラストW採用が増え、フェニックスと競合した
三本目の枠は、フェニックスとブラストWが競合し、本戦ではブラストW側に寄りが見える。
これがデッキ面で最も大きい変化点です。
同じ環境でも「三本目の選択」で選手の思惑が分かれた
“二強”がある環境では、差が出るのは三本目の設計です。
同じ環境でも、三本目をどう選び、どう役割を置くかで、選手の思惑(設計)が分かれます。
この「差の出方」が、本戦ではより鮮明になった、と整理できます。
インタビュー照合:採用傾向の“理由側”を、点数設計の言葉で補強する
ここからは、採用率の“寄り”を、選手側の判断の言語で補強します。
今回、特に参照しやすいのが、おまんじゅうキング選手が語っていた「点数設計(期待値)」の考え方です。
ブラストWを「採る」/「採らない」を分けた判断軸
ブラストWが環境入りした一方で、採用する/しないは分かれます。
おまんじゅうキング選手は、強さ自体は認めつつも、「バーストしやすいことが分かっていたため採用しなかった」と述べています。
重要なのは、ブラストWが強いか弱いかではなく、
「強さを認めたうえで、どのリスクを許容するか」という判断軸が存在することです。
これは本戦の“収束”が、単純な強弱ではなく、点数設計(失点の置き方)に近い領域で起きることを示唆します。
おまんじゅうキング選手のズラし:エアロ「3-60R」でスピン勝ちを狙う合理
環境の基準が「エアロ7-60R」に寄る中で、おまんじゅうキング選手は「3-60R」を採用し、ミラー対面をずらす設計を選んでいます。
“基準があるからこそ、ずらしが合理になる”。
この発想は、採用率の中心(7-60R)とセットで見ると理解しやすいと思います。
「まず2点→4点へ」の組み立てが、本戦のスタミナ寄せと接続する
おまんじゅうキング選手は、試合の中で「まず2点→4点へ」という組み立てを言語化しています。
この“積み方”の発想は、ビットがスタミナ寄りへ動き、FBが増えるデータとも接続しやすいです。(補足:おまんじゅうキング選手は、ウィザードロッド9-60Bを選択)
もちろん、全選手が同じ考えで動いたとは言えません。
ただ、採用率として「落としにくい設計」へ寄る動きが見えるのは事実で、そこに点数設計の言語を重ねると、本戦トーナメントでスタミナ寄りへ動いた流れが理解しやすくなります。
「1点を落としにくい構成」への寄り方自体が、点数設計の反映として読める
本戦の採用率の動きは、「攻めの最大値」より「取りこぼしにくさ」へ寄ったように見えます。
これを点数設計の言葉に置き換えるなら、“1点を計算しやすい構成”を増やし、そこから積み上げる設計が増えた――そう読むことができます。
そしてこの見方が、予選→本戦で見えた「三本目の入れ替わり」「9枚刃寄り」「FB増」を、一本の線でつなぐ整理になります。
まとめ:GP2025“本戦の収束”は、点数設計の観点から”この3つに収束”
最後に、この記事の結論を整理します。
変わらなかったもの:エアロ/ロッドの二強と、R/LR/B中心の土台
予選から本戦にかけて、軸は大きく崩れていません。
エアロ/ロッドが中心に残り、ビットの土台(R/LR/B)も維持されました。まずここが“変わらなかった事実”です。
変わったもの:ブラストW台頭、9枚刃寄り、ビットのスタミナ寄せ(FB伸長)
一方で変化は「三本目」と「比重」に出ています。
ブラストWが台頭し、三本目の枠が入れ替わり始めたこと。
ラチェットは9枚刃寄りに、ビットはスタミナ寄り(FB増)へ動いたこと。
この3点が、本戦ほどはっきり出た“変化”です。
本戦で起きたこと:挑戦(予選)から、勝ち切り(本戦)へ“設計が寄った”可能性
これらの変化を点数設計の観点から見ると、本戦では「勝ち筋を明確にし、取りこぼしにくい形」へ寄った可能性がある――そう説明できます。
そして、その読みを補強してくれるのが、おまんじゅうキング選手が語っていた「点数の期待値」や「まず2点→4点へ」という組み立てでした。
本記事は、(採用率データ図鑑=事実)と(インタビュー=判断の言語)をつなぐ“総括”としてまとめています。
繰り返しになりますが、ここで書いたことは意図の断定ではなく、データと判断の言語を重ねた読みです。
もし「この判断の温度感を、もっと正確に掴みたい」と感じた方は、インタビュー記事をあわせて読んでみてください。
本記事の整理を踏まえて再読すると、言葉のニュアンスや“どこで勝ち筋を固定したのか”が、より追いやすくなるはずです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が、みなさんのデッキづくりや練習のヒントになり、ベイブレードがもっと楽しくなるきっかけになれば嬉しいです。
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